第46章 新しい任務同行者
「このままだと千寿郎くんは鬼殺隊に入らなくても戦いで命を落とす可能性があるの。……可能性は低いかもしれないけど…。」
杏「大きな戦争でも起こるのか。」
その問いに桜は眉尻を下げながら頷く。
「私の知識が足りないからどの時期にどれ程の環境になっていたのかが分からない。でもこのまま行くと第二次世界大戦が始まる頃、千寿郎くんがまだ兵役法に引っかかる年齢なのは確かだよ。そして、この戦争は本当に酷いの。大勢の人が死んでしまう。」
「槇寿郎さんや杏寿郎…さんも例外じゃないから皆がいる時に話したかったんだけど、最近いい機会がなくて…。槇寿郎さんはここを離れたくないと駄々をこねるかもしれないけど、できれば引きずってでも離れてほしい…。東京の人も空襲でたくさん死ぬ。特に東京大空襲では一夜で酷い被害が出た。………ここも無事か分からない。」
杏「分かった。それで千寿郎は何の勉強をしているんだ。」
「…官員になる為の勉強を……。好きな学問を学ぶべきだとは分かってるけど、私が無理に頼み込んだの。」
桜はそう言うと罰の悪そうな顔をした。
元気の無い声色を聞いて千寿郎が首を傾げながら桜を見下ろす。
千「苦になっているわけではないですし、桜さんがたまに他の学問も教えてくれるので十分楽しいですよ。」
杏「そうなのか。どんな学問なんだ?」
「あっ、う…………。」