第45章 ※心配性と解決法
杏(雁首が…引っかかる……。)
その時、杏寿郎が眉を顰めるタイミングからそれを察した桜の中が無意識に杏寿郎の余裕を失くす様に動いた。
引くタイミングで狭くなった子宮口に雁首が強く引っかかったにも関わらずに ぬこっと通り抜けてしまうと、杏寿郎はビクッと腰を跳ねさせて体を震わせながら歯を食いしばり 理性を保とうと快感に耐えた。
杏「桜…わざとか……。もしそうならもう二度とやらないぞ。」
杏寿郎にそう唸られると桜は申し訳無さそうな顔をしながらも首を横に振る。
「杏寿郎さんが余裕をなくしていることには気付いてはいましたが さっきのはわざとじゃないです…。でも…、もっと余裕を失くさせたいって思ってたから体がそう動いちゃったのだとは思います。」
杏「君と俺が望んでいようとも体は壊れるかもしれないんだ。耐えてくれ。」
「杏寿郎さんがしてくれないなら…どっちにしろ違う方法でします。でも慣れてる杏寿郎さんにしてもらうのが一番安心だし、出来るなら、」
杏「何だと。」
余裕を失くし冷静な思考を欠いていた杏寿郎は額の青筋を増やして瞳を燃やすとゆっくり桜の顔脇に手をつき直す。
一方、頭がぼんやりとしていた桜は自身と杏寿郎の間に再びすれ違いが起きた事に気が付けず、不安そうに眉尻を下げた。