第45章 ※心配性と解決法
杏「高校とは何年ある。」
「三年です…。私は誘拐事件のせいで一年遅れたので十七から十九歳の時に…。」
杏「最近ではないか。それに三年間でそれは決して少ない数ではないぞ。」
「いえ、私に言うのが流行りのようになっていた可能性も…あって……、」
桜は杏寿郎を安心させたい気持ちでそう言い掛けたが、自身が怯えた表情を見せても真剣な面持ちで想いを伝えてくれた男達の顔を思い出すと言葉に詰まってしまった。
その様子から桜の考えが伝わり 杏寿郎は眉を顰める。
杏「…先程 急いで思い出せと言ったが…、思い出すのが遅いと判断した場合……君は…、」
「ごめんなさい、想像したら寂しくなってそう急かしただけです。杏寿郎さん以外の人は見ません。さっきも言いましたが、杏寿郎さんが思い出さなくても………、」
「……例え………、他の女性と…一緒になっていたとしても…、私、杏寿郎さんの生涯に添い遂げられないのなら………………ずっと一人でいます。」
それを聞くと杏寿郎は目を大きくさせた後、パッと大きな手で桜の視界を奪った。
「わっ!…………杏寿郎さん?」
そう問いかけるも返事がない。
「……………顔、見せてくれないのですか…?」
桜が退けさせようと優しく杏寿郎の手首を掴んだ時、温かい雫がパタッと桜の頬に落ちた。