第45章 ※心配性と解決法
「そうじゃなくて……、そうじゃなくて、実は来世であなたがちゃんと私を求めてくれるように………未練を残させたいって…身勝手ですが、そんなずるいことを思ってしまってて……ごめんなさい…。」
それを聞いた杏寿郎は目を少し大きくさせる。
その目はやや明るくなっていた。
杏「……ああ、確かに狡いな。だが嬉しいと思ってしまう俺はおかしいのだろうか…。」
いつもと違う芯の通っていない声でそう呟くと 自身の我侭さを恥じて俯いている桜の顔を上げさせる。
桜は杏寿郎の瞳の色が少し明るくなったのを見て目を大きくさせた。
杏「必ず君を求めるので今世でも結婚してくれ。頼む。」
呆ける桜の額に口付けを落として返事を促すと桜はハッとしてから頬を染め、こくりと頷いた。
「絶対ですよ。……私のこと忘れたら許さないですからね。」
杏「…もし会った時 俺に記憶が無かったら君はどうするんだ。もし、その時に…優しくされた男に求婚されたら…。君は押しに弱いのだろう。」
「私を覚えてる自信がないのですか…?」
杏「どの様な仕組みになっているのか分からない以上、いつ思い出すのか保証がないのは事実だ。それより後半の質問に答えてくれ。」
「私は他の男性を見ません。……………それでも求愛はそこそこされるので急いで思い出してくださいね。」
桜が拗ねた様に早口で付け足すと杏寿郎は目を大きくさせて桜の肩を掴み覆い被さる。