第43章 弱いこころ
隊3(防ぐ事しかできない…!刃こぼれもしてる…このままじゃ…!!)
隊1「おいっ!大丈夫か!!応援に来、」
し「蟲の呼吸、蝶ノ舞―――戯れ。」
しのぶの攻撃をまともに受けた鬼は一度動きを止めたが、入れられた毒で崩れた皮膚は徐々に戻っていった。
し(…………効かない…?上弦ですらこの調合では少し反応があったはず…。あの鬼から情報が漏れた…?それなら "この" 毒は使わないように気を付けなければ………、)
―――キリキリ…バチンッ
し(………悲願を果たすために。)
し「蟲の呼吸、蜻蛉の舞―――複眼六角天!」
しのぶが戦いの場に居る隊士でさえ見惚れる程華麗に突きを決めると鬼の巨体は呆気無く倒れた。
し(怪我人は…女性の方一人だけ……。)
しのぶは安心した様に微笑むと解散を言い渡してからその隊士を桜の元へ連れて行った。
隊3「…う、噂の………、」
桜を見た隊士がそう小さく呟くとしのぶは眉を寄せた。