第43章 弱いこころ
(しのぶちゃんの身軽さ…血の滲むような鍛錬の賜物なのだろうけど可憐だと思ってしまうな…本当に髪飾りの蝶々が似合う……。)
そう少しぼんやりした後 桜はハッとして頭を振る。
(任務同行する度に見惚れてたらきりがない!しっかりしないと…慣れて緊張感が薄れた時って一番怖いって聞くし…!)
桜は気合いを入れ直すとなるべく状況を把握しようと耳を澄ませた。
し「…いましたか。」
しのぶは鴉を腕に乗せて言伝を聞くとすぐに走り出した。
鬼が襲おうとした家はしのぶが探しに行った北ではなく、村の一番南であった。
桜を村の中心から東にある竹林へ置いてきていた為、しのぶは自身よりも鬼が近い事に焦りを感じ冷や汗を流した。
し(……大丈夫。桜さんの身体能力はどんどん上がっているし、癒猫様の姿なら人の匂いもしない。それより隊士の心配をしなくては…。)
隊3「小春!蟲柱様の鴉に伝えてくれた!?」
鴉「カァ!!」
隊3「ありがとう!……ぐっ!!」
人の言葉を話さず只々攻撃を続ける鬼は大柄で、女性の隊士を力で圧倒していた。