第40章 ※ベッドの扱い方
(……………………か…固い…!!)
皮膚の下に何かを仕込んでいる様な固さに驚き 興味が勝った桜は両手でぺたぺたと触りだす。
(いち、に、さん………六個!わわ、シックスパックってこれの事だ……本物!!)
杏寿郎は 目を輝かせる桜の纏う空気が甘いものでなくなったのを感じて少し眉を寄せる。
杏「……君はもう男の肌に触れ慣れたのか。」
「え………慣れ…?」
杏「蝶屋敷でどんな治療をした。男に絡まれて痛い思いをした筈だろう。それなのにどうしてその様に慣れてしまったんだ。」
そう言うと杏寿郎は男の手形の痣を思い出しながら桜の手首を優しく撫でた。
「……っ…、な、慣れてません。」
杏「現に今、少しも顔を赤らめずに触っていた様子を俺はこの目で見ていた。君はすぐ顔に出るからな…余裕がある事は手に取る様に分かったぞ。」
少し機嫌を欠いた声色でそう言うと 杏寿郎は離れようとした細い腕を捕まえながら桜を押し倒した。
そうすると洋服の前が開き、見える肌が一気に増える。
桜は杏寿郎の "洋服" がはだけるという見慣れぬ姿をまともに見てしまった為 ぶわっと赤くなると顔を背けて動かなくなってしまった。
その予想外な反応を見て杏寿郎も動きを止め目を大きくさせる。
そして纏う空気を緩めると微笑んだ。