第40章 ※ベッドの扱い方
杏「ふっくらしているな。それに桜色の生地に白い花の刺繍が愛らしい。」
杏寿郎はそう言いながら優しくその刺繍を撫で、その流れで支えられている胸をふにふにと突いた。
「…っ……!!」
杏「だが随分露出されているな。もう一つの下着は胸元をしっかりと隠せていただろう。何故だ?」
「あれは和服用で…これは洋服が…………その…、」
桜がこの時代に来てからずっと付けていた下着は所謂 "和装ブラジャー" だった。
当然洋服には不向きで、ハイネックでなければ見えてしまう。
しかし桜が今居る時代はその常識が出来上がる百年前であり 洋服の普及率は未だ低く、更に奥ゆかしい時代だった。
『下着が見えてだらしない』ではなく、『そもそも露出をするなんてだらしない』という考えは大きな違いである。
杏「…服の違いが関係しているのか?何故言い淀む。まさかとは思うが君の時代の服に合わせた形なのか。」
その問いに桜が眉尻を下げつつも頷くと杏寿郎は目を見張る。
杏「ここまで…胸元を露出させるのか?驚いたな。だが君は違ったのだろう。確かに大胆ではあったがあの洋服には露出が無かった。」
杏寿郎はそう余裕のある微笑みを浮かべながらそう言い終えたが すぐにハッとした顔になった。