第40章 ※ベッドの扱い方
「杏寿郎さん……。ご、ごめんなさい…大丈夫ですか………?」
杏「気にしないでくれ。約束は守る。」
杏寿郎は眉を顰め 青筋を浮かべながら意思の強い声を出すと、心配から自身の希望を撤回する様に首を横に振っている桜に向かって困った様に首を傾げた。
杏「本当に気にしなくて良い。最近は何かと理由を付けて激しく愛してばかりだっただろう。そうやってまた折れると今回も機会を逃してしまうぞ。」
「い、一回だけ…!最初が一番辛いのでしょう…?二回目から約束通り優しく愛してくれれば十分です。杏寿郎さんを苦しくさせていると分かってて幸せな気分になれません…。」
桜がそう辛そうな声色で言うと杏寿郎は考えるように固まった。
杏「…………気持ちは非常に嬉しいのだがその提案には乗れない。一度あれを始めれば止まれる自信は無い。」
そう言い切られると桜は赤い顔で眉尻を下げる。
そして残念そうに目を伏せてから決意した様な瞳で杏寿郎を見上げた。
「では、それで構いま、」
杏「今日は君を優しく愛す!!体は確かに辛抱が必要だが俺だって優しく愛せば大きな幸福感を覚える!無理をしてやりたく無い事をしている訳では決してない!!」
その言葉が以前、自身が発した言葉と重なって桜は固まった。
それを見ると杏寿郎は眉を顰めながらも優しく大事そうに桜の髪を梳いた。