第8章 覚悟と条件
「…す、すごい……!杏寿郎さんってそんなにすごい人なんだ…!!」
(確かに堂々としてて頼りになる雰囲気だったなあ…)
千「煉獄家は代々 "炎柱" を務めてきた家なんですよ!」
「えん…?」
千寿郎はとても楽しそうに教えてくれる。
千「"炎の柱" で "炎柱" です!炎の呼吸を使う柱の事を言います!…あ、炎の呼吸というのは朝に話した全集中の呼吸のうちの一つです!」
「…へえぇ!……炎の呼吸かあ…。煉獄家に相応しい名前だね、格好いい!!」
桜がそう言いながら炎色の髪にそっと触れると、千寿郎は照れながらも とても嬉しそうに微笑んだ。
「全集中の呼吸って他にも種類があるの…?」
千「はい!炎の他は、水、岩、風、雷……あと恋などの派生したものがいくつかあります!呼吸によって技の特徴も異なるんですよ!炎の呼吸は足を留めて力強く放つ技が多いんです!!」
そう元気よく言った千寿郎は、自分が膝立ちになっている事に気が付いて赤面した。
千「…っ……すみません…。」
それを見た桜は微笑ましくて頬を緩ませる。
「ううん、教えてくれてありがとう。」
そう言って千寿郎の頭を優しく撫でるとお膳を持ち上げながら、"もっと教えて!" と笑う。
それを見て千寿郎もお膳を持ち、頬を緩ませながら後を追った。