第7章 人形
「はっ……もしかして人形?」
「あ、あぁ…そのもしかしてだ。」
事情を聞くと…どうやらまた錬金術の失敗作をかぶって人形になってしまったらしい。面白がって、私が通ることを確認したエースがわざと人形化したデュースを置いた、というとのこと。
「………トラッポラめ…あ、でも何でいきなり元に戻れたの?」
「………あ、あ…それ、なんだが……」
煮え切らないような返事をしたデュース。真っ赤になって顔を背けるデュースに、何?と問いただす。観念したようにデュースはこう語った。
「その……僕のことを、好きだと心から思ってくれる相手…じゃないと元に戻らなかったんだ。」
「………え、それって…」
私が、デュースのことを心から好きだと思ったから…確かに私はいつもデュースのこと好きだと思ってるけど、面と向かって言うのはかなり恥ずかしいな。少し私も顔を背けると…デュースが私を押し倒している体制で顔を覗いてきた。
「僕もその…なつきのことは好きだから……な、」