第6章 ラッキースケベ
~アズールver~
ある真夏の日―
「かなさん、本当によかったのですか?僕と二人きりでプールだなんて。」
「え、別にいいですよ?知り合いの方が私も楽ですし。」
そう、あまりにも暑すぎてアズールをプールに誘ったのだ。何故アズールかというと……まぁ特に大した理由はないんだけど、アズールもとても暑そうにしてたからだ。男性と二人きりでプールなんて初めてだけど、別に恋仲じゃないからいいよね。
「それよりかなさん、その水着…とても似合ってますね。」
「ありがとうございます!実はこの日のためにお金貯めて買ったんですよ~」
「えっ、そ、そうなんですか…」
まぁお金貯めたといっても、モストロ・ラウンジで貯めたんだけどね。それに、やっぱりプール開きだったら新しい水着は着たくなるもんね。元の世界ではパンツタイプで大人しめな水着ばっか選んでたから、今回はちょっと背伸びをして上だけビキニタイプにしたのだ。
「さっきより人が流れて多くなってきましたね。」
「早く入りましょう!!」
「えっと…波のプール?」
「あ、そっか…知らないんですね。」
波のプールなんてなくても故郷で自由に波を感じられただろう。人工的な波を作ってそれを楽しむことができるアトラクションだと軽く説明をする。納得したアズールは、興味深いですね、と言い私の隣で少し面白そうに笑う。
「これは…緩やかですが、確かに波ですね。かなさん、大丈夫ですか?」
「は、はい……まだまだ…」
「いえ、無理しないでください。結構大きい波が来てますよ。」
「いや、大丈夫です!!」
確かに少し前の方に出過ぎたので波が自分の首に来るくらいまで高くなっている。しかし意地を張ったが、予想より大きな波に足元をすくわれバランスが崩れる。滑ってしまったら確実に溺れる、と目をつぶったが…
「ほら、言わんこっちゃない。意地を張るからです…よ……」
「あ、ありがとうございます……あっ!?」
倒れる前に横にいたアズールが、私の腰をしっかり押さえて支えてくれた。少し恥ずかしかったが、感謝の言葉を述べる。が、アズールの腕に落ちてたのを見て真っ赤になる。なんと、ビキニが波に流されて胸があらわになっていたのだ。