第6章 ラッキースケベ
「え、わぁ………っ!!?」
「どうせまた散らかるんだ。そんなことしても時間の無駄だぜ?」
レオナのいるベット近くを通りかかった時、いきなり手を引かれてそのままレオナのお腹の上に倒れこんでしまった。思いっきり胸が当たり、また距離がグッと縮んで慌ててしまう。
「何をそんなに慌ててんだ。このままでいいだろ。」
「いやいや、あの…掃除があるので…」
グッ、と胸を押して少しの抵抗を見せる。しかしそのまま手首を掴まれ、視界が反転して…気づいたらその手はベットに押し付けられ私は押し倒されていた。
「~~~~っ、あの…離れてもらえますか…?」
「あ?退くと思うか?」
ですよね~…ととりあえずこの状況で恥ずかしいので、笑ってごまかす。しかしどさくさに紛れて、手を上に持ち上げられてさらに身動きがとれなくなってしまった。観念した私を見て、レオナはとても満足そうな顔をしている。
「………!!あの、レオナ先輩っ!?ちょ…待てっ…」
「うっ……」
「……あー、私足癖悪いんで~…痛かったですか?ごめんなさ~い。」
そんな顔を見て、負けず嫌いの私は唯一自由な足を使ってレオナのお腹を蹴り上げる。申し訳ないが、でもこうでもしないとこの人はどいてくれそうにないのだ。さすがにレオナもこんな行儀悪さを見たら諦めてくれるだろ………と思ったが、俯いて痛みを我慢した後少し怒りながら笑ってるレオナと目が合う。…しまった、これはヤバいかも。
「邪魔な足はこれか?」
「ひゃあぁっ!!」
「…ふん、いい声で鳴くじゃねぇか。」
蹴った足をそのまま引っ張り上げられて、太ももあたりを舐められる。ネコ科特有の非常にザラザラした感覚に驚いて声を上げてしまった。
「ちょっと!!舐めないでください!!」
「じゃあここならいいか?」
「そっ…そういう問題じゃ、んっ…」
足を持ち上げられたまま首、頬と舐められる。ぞわぞわとした感覚が背中を伝って鳥肌が立つ。なんでこの男はこんなにも人の体を舐めたがるのだろうか…食べても別に美味しくないだろうに…
「まっ……もう舐めるのは…っ」
「おい、暴れるな。ラギーが帰ってくるまで、存分に付き合ってもらうぜ?」