第4章 ポッキーゲーム
「………」
「………っ、」
顔を傾けてなおゆっくりと食べ進めるアズールに少し驚いた。このへんでそろそろ離すと思っていたのに…でもさっきまで私を見ていたのにそっからは目を瞑り始めた。その様子に面白くなってしまっている私がいた。
ポキポキ……ちゅ……
「んなっ!!!?」
「あー…食べきっちゃいましたね。」
ついにお互いの唇が当たってキスをしてしまった。その瞬間目をかっぴらいてズザザ、と音を立てて後ろに後退ったアズール。その顔は当たり前のように真っ赤だった。
「あなた何で離さないんですか!!!キ、キ、キスしてしまった……」
「えっ、何で…んー…なんかアズール先輩、見てて面白かったので…あ、キスするの嫌でした?ごめんなさい。」
もしかしたらアズールは初めてだったかもしれない。私は初めてではなかったため特に気にしてなかったが…素直に謝ると、アズールはメガネをずらして呆けていた。
「ぼ、僕は別に……気にしてませんけど、」
「いや、動揺が凄いですよ。」
「うるさいっ!!!いいですか、もう二度とこんな変なゲームを持ってこないでくださいね!!」
「はぁ~い。」
スタスタと怒って出て行ったアズール。後に廊下で茹蛸になって頭を抱え座り込んでいたアズールが見られたそうな。