第4章 ポッキーゲーム
~ケイトver~
ハーツラビュル寮の談話室に遊びに来た私。今日はエースやデュースに用はなく、隣でマジカメを弄っているケイトに用があるのだ。今談話室には二人きり、ポッキーゲームに誘うにはちょうどいいタイミングだ。
「ケイト先輩。」
「…ん?どうしたの、なつきちゃん。」
懐に隠していたポッキーの袋を顔に持って行って無言で主張をする。笑顔でえっ、と驚いた顔をするケイト。周りに人がいないことを確認するとケイトが言った。
「…まさか、最近バズってるポッキーゲームをしたいの?」
「そうです!!ケイト先輩、マジカメに投稿するネタ探してるんでしょ?」
「まぁね~面白そうだなって思うけど…オレでいいの?エーデュースちゃん達とやった方がいいんじゃないの?」
「デュースとはやりました、やったといえるか分からないけど…」
焦ってすぐポッキーから口を離されてしまったためあんまりやった、という感じがしない。私としてはもう少し粘ってほしかったところではあるが…
「あ~…ちょっと想像つくかも。んじゃ、ここじゃ目立つからオレの部屋においでよ!!」
「ありがとうございます!!」
さすが先輩、大人の余裕を見せつけられる。ケイトに大人しくついていき、部屋にお邪魔する。3年は1人部屋なのでとても広い。いつもエーデュース達の4人部屋に入り浸ってるのでなおさら広く感じる。
「……あ、可愛いクッションがある!」
「それ可愛いでしょ~!!話題になってたやつだから買っちゃった!!」
「さすがケイト先輩、ミーハーだぁ~」
「ちょっと、それ誉め言葉じゃないよなつきちゃん…」
ベットの上にあったダイヤモンドのクッションを抱きしめる。ケイト先輩のスマホケースもこのクッションと同じキャラクターデザインのカバーなんだもんね。
「よし、じゃあポッキーゲームしましょ!!」
「うんうん、ポッキーちょうだい!」
「どうぞ!」
ケイトにポッキーの袋を渡すと、ガサガサとポッキーを取り出してくわえた。チョコの部分が私側なんだろうと思い、すぐさま食いつく。ケイトはびっくりしたように目を丸くしていたが、しょうがないなぁ、もう、というような顔をしてサクサクと食べ始めた。