第3章 メイド服
~ラギーver~
いつものようにラギーの雑用係としてサバナクロー寮にやってきた。ラギーの部屋の扉をノックする。いつもと違うのは、動きやすい服装ではなくてメイド服を着ているということだろうか。アズール先輩から押し付けられたかなちゃんのお下がりのメイド服である。これがまた非常に露出が高い服となっていて、ここに来るまでの獣人の視線が多少なりとも怖かった。おまけにケモミミをつけていたのがよくなかったか。
「んぁ?はーい、どなたっスか~」
「なつきです、ラギー先輩。」
「あぁ、なつきちゃんっスか。入っていいっスよ。」
「じゃあ遠慮なく、お邪魔しま~す。」
相変わらず綺麗で野性的な部屋だ。基本的にハーツラヴュル寮のエースやデュースの部屋にいりびだっているので、違いに最初は驚いた。比べたらいけないのだろうけど…
「今日は何をすればいいですか?」
「そうっスね~…とりあえずこの布団の洗濯と、あとは皿洗いとかもやって……」
「りょ~かいです。」
「ちょちょちょ…!!!?なつきちゃん?その恰好は一体…」
誰か泊まりに来ていたのだろうか、床には簡易式の布団が置かれていてこれを洗うとすると手間がかかりそうだ。よいしょ、と布団を持ち上げようとした時、ラギーの慌てた声が聞こえた。
「ん?メイド服ですよ?知りませんでした?」
「いや…知ってるっスけど!!なんで今着てるんスか。しかもご丁寧に猫耳までつけて…」
「サバナクローに来たなら獣人になるのが礼儀だと思いまして。メイド服に関してはアズール先輩に押し付けられました。」
「あぁ…なんか納得したっス。かなちゃんはぜーったい着ないって言いそうっスもん。」
頭に浮かぶわ…あのオクタヴィネルの人達に向かってNO、と言える数少ない人だもんな…あのかなちゃんが足出しの腹ちらのメイド服を着ている姿が想像できない。
「というか!そんな恰好で布団の洗濯は無理そうっスね。」
「え、いいですよ別に。」
「いや、いいっス、オレがやるっス。」
「いや何でですか。手伝いますって。」