第3章 メイド服
「他は何をすればいいですか。」
「飯作ってこい。」
「ご希望は、」
「肉。」
「極端!!野菜も食べなきゃダメですよ?」
「野菜は食っても身にならねぇ。」
これをいつもラギーはどうやって対処しているのか。とにかくお肉だけを作るわけにはいかない。育ち盛りの高校生だものね……いや、この人20歳だったわ。とりあえず簡単なお肉料理と少しでも食べやすいように野菜のスープを作り、レオナ前に出す。
「おいしいですか。」
「野菜はいらねぇと言ったはずだ。」
「そういわずに、せっかく作ったんですから食べてください。」
料理の感想を聞きたかったのに、口から出るのは文句ばかり。でも文句を言いながらも食べてくれているということはマズくはないのだろう。食べているレオナを見ていると、疲れがたまっているのか眠くなってくる。
「なんだ、疲れたのか?」
「……あぁ、はい。普段こんなに仕事しないですからね。」
「あっちじゃこんなの序の口だがな。」
「ひぇ…というか、慣れない格好でグルグルするのも疲れた…」
忙しく動いているときはメイド服だということが忘れられるからいいが、ふとした瞬間にスカートがとても鬱陶しくなってくるのだ。モストロ・ラウンジのバイトもズボンでやるからね。
「解放されてぇか?メイド服を脱いでもいいんだぜ。」
「え、解放してくれんの!!」
「あぁ、いいぜ。ただし風呂でな。」
「………へ??」
ニヤニヤと余裕そうに笑う。何をいきなり変態みたいな発言をしているんだこの人。 脱ぐわけがない。
「背中流し、するだろ?メイドだもんなぁ?」
「うえっ!?そ、そこまでやんの…?」
「まだまだ夜は長いぜ……もっとやることあんだろ、付き合えよ。」