第8章 〇〇しないと出れない部屋
「カリム先輩、またスカラビアに誘ってください!宴じゃなくてもいいんで、また一緒に踊りましょうね。熱砂の国の踊り、私も知りたいです。」
「いいぞ!!きっと熱砂の国の踊りを踊れたら、なつきは一番可愛い踊り子になるんだろうな!!」
「えっ……」
そんな、私なんかよりもっと可愛い人がいるでしょうに。お世辞もお世辞じゃなく言うカリムなので、本気で言っているのが分かると恥ずかしくて照れてしまう。
「なつきは優しいな!ありがとう、な。」
ぎゅ、と抱きしめられお礼を言われる。カリム先輩は抱きしめながら頭を撫でてくれる。なんだかお兄ちゃんみたいだ…そしてパッ、と離れるといつもの笑顔で明日誘うな!!と言うもんだから、嬉しいけどジャミルの苦労が見えて何とも言えない気持ちになった。