第8章 〇〇しないと出れない部屋
~カリムver~
「なつき、大丈夫か!?」
「………?か、りむ先輩?」
目を開けると心配そうにしているカリムと目が合った。体を起こすと、どうやら私はカリムの膝の上で寝ていたみたいで、びっくりして咄嗟に謝った。何にもないこの部屋で何か起こった時にすぐ対応できるように守ってくれていたんだとか。
「そういえばさっきドアに文字が浮かび上がってきたんだけど、相手のしてほしいことをすれば出れる部屋らしいぞ!」
「伝説の○○しないと出れない部屋に、対応力100%のカリム先輩…」
「?なんだ?」
「いえ何も。」
カリムだって早くこの部屋を出たかっただろうに、私が起きるまで待っててくれたというのか。この男優しすぎるだろ、惚れてまうぞ。それより相手がしてほしいこと…か、人によってはやりたい放題にできるお題じゃないか。
「なつきは何かオレにしてほしいことはあるか?」
「う~…ん、じゃあ…目を見たいです!」
「ん?目?」
「そう、目。カリム先輩って、とっても綺麗な目をしてるので…」
「そうか?ありがとうな!そんなことでいいならほら、じっくり見ていいぜ!」
カリムの瞳をのぞき込む。本当にきれいな色だな…元々宝石類が大好きな私にとって、カリムの色は吸い込まれるような瞳をしている為魅入ってしまう。私は日本人だから、こんな綺麗な目をするには何かカラコンを入れないといけないからなぁ…
「なつき。」
「………なん、ですか?」
「はは、」
ジッと見ていたので、カリムへの返事が途切れ途切れになってしまった。あ、ちょっと失礼だったかな、なんて思い一回目から離すと…ぎゅ、と頬を掴まれていた。そして改めてその顔の近さにびっくりしてしまう。