第8章 〇〇しないと出れない部屋
「そういえば、知っていますかかなさん。額にキスするのは、友情という意味があるらしいですよ。」
「あ、何か聞いたことあります。キスする場所によって意味が変わるんですよね。」
こういうロマンチックな話の類は相棒が大好きなのでよく聞かされていた。どこが何かなんて覚えてないけど、でもこういうのはいいと思う。
「ではかなさんはどこの場所がいいと思いますか?」
「えっ、私!?いや…わから……」
「僕はここが好きです。」
「ちょ…何で耳っ!?」
ベロ、とその大きなベロで耳を舐められぞわぞわとする。元々私より二倍大きいジェイドに舐められると恥ずかしさより恐怖がつのるんだが…
「意味は…そうですね、ここを出たらご自分で調べてみたらいかがですか?」
フフフ、と面白そうに笑うと、私に一礼をしてさっき開いたドアから出て行ってしまった。後日あの意味の分からない場所を検索して見ると、そこには『誘惑』と書いてあった。性的な魅力を感じ恋愛感情が高ぶっているサイン、らしい(諸説あり)。これを知った途端いきなり恥ずかしくなってしまって、廊下だというのにヘロヘロと座り込んでしまったのだ。