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2人の監督生

第8章 〇〇しないと出れない部屋


~アズールver~

「かなさん……かなさん…」

「ん…」

せっかく気持ちよく寢てたというのに、私を呼ぶのは誰だ、と目を開けると…そこにはちょっと困った顔のアズールが立っていた。モーニングコールならもっと爽やかな顔をしてくれよ…

「…ってあれ?ここどこ…」

「分かりません。きっと誰かの悪戱でしょう。」

起き上がり、周りを見渡しても何もない。一面白い壁に囲まれているだけだ。そういえば私寢た記憶もないや…

「とにかく、さっさとこんな部屋から出ましょう。」

ガチャガチャ……ドンドンドン!!!

「ふう……無理ですね。」

「そりゃそうでしょうね!!」

こういうのは小説とか漫畫とかで見たことあるぞ……○○しないと出れない部屋ではないか?と予想をつけているときにアズールはドアをどうにかして開けようとしていた。力業でどうにかできる扉じゃなかったらしく、何事もなかったかのように戻ってきた。

「ドアに何か書いてありました。」

「えっと……どちらかが泣かないと出られない部屋?」

渡された紙を読んで安心する。私が想像していた難しい、恥ずかしいような內容じゃなくて本當によかった。

「馬鹿馬鹿しいですね。ここに僕たちを閉じ込めた犯人が見ているはずです。何もこの神通りにやらなくても、僕達がやる様子が見られなければ、犯人もそのうち諦めるでしょう。」

「えぇ……そんな簡単に諦めてくれるかなぁ…」

「ではかなさんが泣いてくれますか?」

「え、私早々に泣けない…」

「僕も泣きたくありません。」

「先輩の方が得意でしょ?バブール先輩?」

お互い一歩も許さない。というか、多分だけどアズールが私を泣かせられるとは思えない。もちろん私がアズールを泣かせることは無理な気がしてきた。あれ?これ意外と難しいお題だった?
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