第8章 〇〇しないと出れない部屋
「ご、ご飯にする?お風呂にする?それとも……わーたーし?」
「そんなもん、お前一択しか選択肢はねだろ。ご丁寧にベットまで用意しやがって。」
「え~…」
「何だ、不満か?風呂でもいいが…」
不満とかそういうんじゃなくて…私を即答したことに驚いてるんだけど…まあ万年発情おじたんのことだから不思議ではないか。
「簡単に出れるのであれば、レオナ先輩がお風呂に入れば解決しますよね?」
「あ?何言ってやがる。一人で入ってドアが開くわけねぇだろ。」
「え、お風呂って1人で入るもの…」
「はっ、一人で入ってドアが開かねぇことなんてちょっと考えれば分かることだろ。」
「えぇ…」
とっても馬鹿にしたように鼻で笑われた。いや、確かにこういう出れない部屋系はちょっとイベント要素があるやつが多いけども…レオナに言われると腹が立つな。
「え、待って…これってつまりベットに行くかお風呂に行くかの二択ってことですか?」
「まぁそういうことになるな。…で?どっちにするんだ。」
「んえ!!?いや…えーと、どっちもどっちでは…背中流すだけならいけるか?」
「湯船にも一緒につかるだろ?」
「ええっ…いや、そこまで…?ってか絶対狭いだろあのお風呂。」
レオナはそもそも身長が高いし、育ちがいいから用意されたお風呂なんて子供用かと思うくらい小さいだろうに…それでも一緒に入ろうというのか。お風呂にするか自分にするか…後者にすると自分の身が危ない気がする。
「はあああぁ…はい、お風呂に入りましょう。」
「じゃあ入るぞ。お前はこれでも着とけ。」
ポイ、と投げられたそれはバスローブだった。どっから持ってきたんだ…いや、これもこの部屋に用意されていたものか。まぁ何も隠すものがないよりましか。有難くバスローブを受け取ってレオナと一緒にお風呂へ向かう。