第8章 〇〇しないと出れない部屋
~レオナver~
「おい、おい起きろ草食動物。」
せっかく人が気持ちよく寝ていたというのに。あぁ…でも凄くいい声だな。重たい瞼を持ち上げて最初に見えたのは毛並みが整った王子だった。
「は、ここどこ…」
「よくこんなところで寝こけてられるな。」
周りを見渡すと、白い壁に囲まれた部屋だということが分かった。それとさも当たり前のように、お風呂とベットが置いてあることに疑問を持った。もしかしてだけどここって…
「え、と…ドアは…」
「あっちだ。やめとけ、開かねぇぞ。」
ガタガタ、とドアをひっぱたり叩いたりしたが開く様子がない。困ったようにレオナを見ると、ボリボリ頭をかきながら特に困ってなさそうな顔をしていた。
「よく見てみろ、ドアのところにプレートがあるだろ。」
「あ、本当だ。なになに…」
そこに書いてあったのは『お風呂にする?ご飯にする?それとも私?』というものだった。なんだその指定がされたお題は。
「はあああぁ!?実行までかよ…シンド。」
「おい、さっさと言いやがれ。」
「え、待って、私が言うの?」
さも当たり前のように私に言わせる気満々じゃないか。まぁ確かにこのセリフは女性が言うものだし、レオナが言うなんて想像もつかないけど。
「おい、ゴタゴタ言ってねぇで早く言え。」
「はああぁ…言えばいいんでしょ、言えば…」
ずっとニヤニヤしていて親父臭いレオナを冷めた目で見る。しかしこんなのでも好きなんだから重症だよね…