第8章 〇〇しないと出れない部屋
ベットで写真…なんて思わせぶりな一枚なんだ。それより、写真撮るときに密着してケイトの匂いが服についてしまった。いいにおい…女子である私よりいいにおいさせないでよ。
「先輩、これ香水ですよね?いいにおいですね…」
「え、ちょ……なつきちゃん?」
「んあ~…私も香水ほしい……でもお金が…」
「ちょちょちょ、なつきちゃんってば!!」
私好みの匂いだったもので、少し近寄り過ぎたみたい。顔を少し赤くしたケイトが私の方を掴んで慌てて引きはがした。そして説教をされるみたいに正座をさせられ対面になる。
「あのね、オレも一応男なんだよ?そんなに近寄られると…どうなるかわかんないよ?」
「どうなるんですか?」
ただの好奇心で聞いてみた。ケイトはそんな私を見て、ぐっと何かを食いしばる顔をした。私だって別に襲ってほしくてやっているわけじゃなくて、ケイトが私に恋愛感情がないからやっているだけなのだ。
「………も~…試すのもいい加減にしてよね。」
「………わっ…」
正座していた私をお姫様抱っこで自分の近くに引き寄せ、横座りでケイトの膝の上に座らせられた。あっという間にケイトの中にすっぽりと納まってしまったものだから、びっくりして目をパチパチとさせてしまう。
「力は当然オレの方が強いし、こうやって簡単に抱え上げられちゃうんだから。もうちょっと危機感をもたないと…襲っちゃうよ?」
「えっ、」
「…な~んて嘘嘘!も~、なつきちゃんは危なっかしいんだから気を付けてね?やり過ぎ注意!」
襲っちゃうよ?のところで顔を近づけられてボボボ、と顔が赤くなっていく。そんな綺麗なお顔を近づけないでいただきたい。顔赤くなっている私に可愛い~、なんて写真を撮っているケイト。やっぱりケイトには敵わない。