第8章 〇〇しないと出れない部屋
「は、恥ずかしいなこれ……というか、何でドアが開かないんだ?」
「抱きしめ返してくれないからでしょ~?」
「なっ……」
「デュースはいや?」
「そ、そんなことないぞっ…」
ずっと恥ずかしがっているデュースもとても可愛いところではあるが、そっちから攻めくれないとじれったい。あまり我慢ができない性格でもあるため、デュースの胸をトン、と押し倒して上に乗りマウントを取ってみる。
「これで抱きしめやすくなった?」
「………」
キュ、と目を瞑って口もつぐんだデュース。これでもダメなの?そろそろ覚悟決めてもらわないといい加減私の心が折れそう。と思ってた時、背中に手を回されそのまま私を支えて起き上がった。そしてギュ、とハグをしてくれる。奥でガチャ、とドアが開く音が聞こえる。
「あ、ドアが開いたみたいだよ……デュース?」
「……なつき。」
「んっ??」
ドアがあいたことで安心したのも束の間、そのまま力が抜けていた私はデュースに簡単に押し倒されてしまった。顔は赤いものの、今度はしてやったりというヴィラン顔をしていた。
「体制逆転、だな?」
「デュー…?」
「やっと見れた、なつきの戸惑っている顔。僕だってやられっぱなしは嫌だ。」
顔を首にうずめられて、急なことに対応できなくて顔が真っ赤になった。息が直接肌にかかってくすぐったい。デュースからこんなことされるとは思ってもいなかったためドキドキしてしまう。
「できるならもう少し……このまま。」