第7章 人形
「貴方のせいですよ…好きな方に、キスをしてもらったんですから。」
「いや…だってぬいぐるみ可愛いからなんか、愛くるしくなっちゃって…うぅ、ずっと見てたってことじゃないですかぁぁ…」
「もう一度…この姿でしてください。」
「へ?いやいや無理無理…」
手をブンブンと振り回して、全身でNOを表す。ぬいぐるみと本人じゃだいぶ違うからね?
「ではずっとこのままの体制でいますよ。あぁ、でもそろそろグリム君が帰ってきてしまうのでは?残念、見られてしまいますね。」
「んんん……わ、分かりましたよ。」
自分が有利に立つと、この余裕そうな顔をするのが腹立つな。ここまできたらもうやけくそだ、思いっきり勢いでジェイドにキスをする。
「ふふ、ありがとうございます。」
「は、はい…もういいでしょう、そこ退いて下さい。」
「いやです。もう少し、このまま…」
私が断れないのを知ってて言ってるなら質が悪い。結局グリムが帰ってくるまでこの体制で動けなかったのは言うまでもない。