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2人の監督生

第7章 人形


~ジェイドver~

「ってことで、渡してくれってジェイドがぁ。はいどーぞ。」

授業終わり、廊下でバッタリ会ったフロイドから人形を貰った。やけにジェイドにそっくりのぬいぐるみだな…そもそも何で私にこんなものを渡すんだろう。色々疑問はあるけど、フロイドに聞いたってしょうがないし、好意でくれたのなら受け取るしかない。

「じゃあ渡したかんね~。バイバイ小エビちゃん」

「ありがとうございます。」

フロイドと別れオンボロ寮に帰る。正直オンボロ寮は広いくせして物をあまり置いてないから、さらに広く感じるんだよね。この人形の置く場所には困らないし、広くてよかった~と思いながらベットに置いてみる。

「さてと、ぬいぐるみも飾ったことだし何しようかな。特にやることもないんだよな~」

本格的に暇になってしまったので、ベットにダイブを決め込む。勢いが良すぎてジェイドの人形が飛んでしまった。しかしタイミングよくキャッチしたおかげで下に落ちなくて済んだ。

「ま、私が落とすわけないんだけど。……しっかし、こう見ると本当にジェイド先輩にそっくり。髪の毛とか、目元とか……こんな再現度が高いのって作れるんだ~」

仰向けでぬいぐるみを掲げてまじまじと見る。ジッと見てると可愛くてキスしてみたくなり、頬に軽くキスを落とす。その瞬間、ぬいぐるみが少し動いた気がして怪訝に思う。

「気のせい……?ぬいぐるみが動くわけないし…」

「もっと…」

「……へっ??」

ボン、と音をたててジェイドが現れた。仰向きで見ていたため、押し倒されるような形になっている。驚いてジェイドの顔を見ると、珍しく真っ赤になって照れていた。

「どうも、こんにちはかなさん。今のは…どういう意図で?」

「あ、いや…その…忘れてください…」

ぬいぐるみだったらいくらでも顔を近づけられるけど、本物だと話は違ってくる。距離が近くて慌てて近くにあった枕で顔を隠す。

「ズルいですよかなさん。僕のこの顔を見ても隠しますか。」

「顔…?」

枕を少しずらしてジェイドを見る。私よりも明らかに真っ赤になっているジェイドを見て、少し落ち着いて……られるか!!それでも距離が近いもんは近いし、照れるもんは照るんだよ!!
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