第7章 人形
「まさか…ぬいぐるみ?」
さっきベットに置いたはずの人形がいなくなっている。確かにベットに置いたのに…まさか落ちてベットの下に?とベットの下を探してみると、後ろからフロイドの声が聞こえた、と同時に視界を奪われた。
「ざぁんねん、正解はぁ…後ろでしたぁ♡」
「わっ…!?フ、フロイド先輩…!?」
「いつ気付くかな~って思ってたんだけど、小エビちゃん全然気づかねぇんだもん。」
普通人形が本物なんて思わないだろ。そんなん魔法がありなこの世界じゃないと通用しないよ。ここの世界と私の世界を一緒にしないでくれ。
「………ん?ってことは…最初から最後まで私のつぶやきは…」
私の質問に対してフロイドは、満面の笑みを浮かべた。これ絶対聞いてたやつだ。何か聞かれちゃまずいこと言ってないよな?
「と、とりあえずこの手を離してもらっても?真っ暗で何も…」
「ん~?やだぁ。オレにも、さっきみたいにギュッてしてくれたら考えてあげる。」
考えるだけで、この調子だと離してくれそうにないのは私でもわかる。この後、中々帰ってくれなくて結局泊まらせたのは言うまでもない。