第2章 出会い
「あ、もちろんこの子にも了承済みだし、むしろこの子が君に興味を示したからでもあるんだけどね」
どういうことだ。私とこの人はさっき会ったばかりで、そんな私に大切なポケモンを譲る? 馬鹿じゃないのか。
「そんな馬鹿じゃないの? みたいな顔しなくてもいいじゃないか」
「そんな顔、してた?」
「してるよ。それでボクの提案どうかな?」
「わたし、自分の気に入った子しか手持ちに入れないから」
「なるほど。良い心がけだ。じゃあこの子のことを見てほしい。とても良い子だよ」
ダイゴさんはそう言ってモンスターボールを開いた。
中から出てきたのはダンバル。ホウエン地方では珍しいポケモンだ。そういえばさっきダイゴさんはメタグロスを使っていたな。
「この子はダンバル。かわいいだろう? この子はきっと強くなる。どうかな?」
「……でも、なんで私に? さっき会ったばかりだよ?」
そう質問した私にダイゴさんは優しく笑いかけた。
「君が強くて、優しい子だからかな」
「そんなことない。私ポケモンたちにすぐあっち行けとか言う」
「確かに、それはさっき聞いてて驚いた。でもそれもポケモンたちを思ってだろう? 気の使い方は間違っているけれど、ポケモンたちのことを考えられる優しい子だ」
そうだろうか。この人はただ良いようにとらえているだけじゃないのか。なんだかとってもくすぐったい。
「ふふ、君のポケモンたちはボクの言葉に賛成みたいだ」
そう言われてポケモンたちを見てみると嬉しそうな顔をしている。私が褒められて嬉しかったのか?
「君は優しい子だよ。君のポケモンたちがその証さ。だから自信を持って」
初めて会った人に言われてもよくわからない。けれど私のポケモンたちが証拠だと言われたらなんだかそうなのかもしれないと思えてくる。
うつむいていた顔を上げてダイゴさんを見ると、さっきと同じような優しい表情のままだ。
私はなんとなくその表情に促されてダンバルを見る。そして頭を一撫でして小さく呟いた。
「私と、くる?」
その小さな呟きを聞き取ったダンバルは嬉しそうに私の腕の中に入り込む。その様子が子どもっぽくてとてもかわいい。
「よかった。じゃあこれからこの子は君のポケモンだ。大事にしてね。またいつか会おう泣き虫ちゃん」
ダイゴさんはダンバルを撫でてからそう言っていなくなったのだった。
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