第8章 仲直り
気がついたらベッドの上に逆戻りだった。前と違うのは私の手持ちたちがみんな出ていること。個室で良かった。
私が目を覚ましたことにいち早く気づいたのはラグラージ。さすが相棒。それからみんな気づいて私の上にのしかかってくる。重たい。
「ああ、もう目を覚ましたんだね」
ダイゴさんがひょっこりと顔を出した。そのままナースコールを押して私が起きたことを伝える。
「ふふ、みんな置いてけぼりにされて悲しかったんだよ。しばらくは好きにさせたらいい」
そう言われるととても弱い。まぁ、確かにこれは愛されている証拠なのかもしれない。素直に受け止めよう。重たいけど。
「はいトオルさーん、起きてますかー?」
お医者さんと一緒に入ってきたナースが少し怖い。怒っているようだ。
「素人が勝手に点滴外しちゃだめですよー? それに体が弱ってるのにあんな土砂降りの中行っちゃって、発熱してるので今度は絶対に安静にしていてくださいね?」
怖い。でも自業自得だ。仕方ない。
お医者さんからもこじらせたら肺炎になるかもしれないから絶対安静にと言われた。大人しくしておこう。
一応家族には連絡したかどうかを聞くとまだしてないと言われた。なんでも旅をしている以上よっぽど大怪我でない限りあまり実家へ勝手に連絡はしないそうだ。ただ肺炎になったらするぞと言われた。
私はとりあえず今は連絡されてないことに安堵する。いや、私の家族は過保護なんだ。
お医者さんたちも帰ったあともダイゴさんは側にいる。帰らないのかと聞いたけど帰る気はないらしい。
「別に、今のボクは自由業だからね。好きにしていいのさ」
なんて。確かになんの仕事しているのかわからないけれど、いつも石がありそうなところにいるもんな。採掘家? 石の研究者か?
そうこうしている間にまた扉の向こうからノック音が聞こえた。この控えめなノックの仕方は。