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泣き虫ちゃんの話(Eダイゴさん夢)

第6章 逃避


「なにを、しているの?」
「ダイゴさんはなんでここに?」
「それはボクが聞きたいことだ」
「わたしは、べつに、」
「大事なポケモンたちを置いて?」
 私は何も言えない。うつむいて顔をあげることができない。
「トオル、もう一度聞くよ。なにをしているんだい?」
「ダイゴさんには関係な、」
 土砂降りの雨の中パァンッと音が響く。ダイゴさんに頬を叩かれた。その勢いでしりもちをつく。なんとなく、小さい頃の記憶がフラッシュバックした。
「ふざけるな! 関係ない? 病室から抜け出してみんなどれだけ心配していると思っているんだ? みんながどれだけ探して……ボクが! ボクがどれだけ、君を、」
 ダイゴさんがとても悔しそうな泣きそうな顔をしている。いや、雨が滴ってホントに泣いているみたいだ。なんでダイゴさんがそんな顔をするのかがわからない。
「だって、そんな、みんな私のことなんて」
「心配してる。みんな、ハルカちゃんもミクリも、ゲンジたちだって」
「……」
「それに君のポケモンたちも」
 その言葉に私はビクッと体を震わせる。
「なんで置いていったの?」
「……あの子たちは、私のもとじゃない方が強くなれる」
「まだそんなこと言っているのか!」
「だってそうじゃん! ダイゴさんは最近の私のバトルを知らないから言ってられるんだ!」
「甘ったれるな!!」
 ダイゴさんの怒鳴り声が響きわたる。
「君のポケモンは、君のために強くなったんだ! 他の誰かのもとに行ったって今以上の実力は発揮できない! 君の指示だから彼らは強くあれるんだ! なんでそれがわからない!?」
「わたしの、もとだから?」
「そう。君の、トオルの為に彼らは強くなった。トオルのもとだからあれだけの強さを発揮できるんだ」
 私のもとだから。そんなこと思ったことなかった。もっと強い人のところに行けばあの子たちはもっと輝けると、そう思ってた。でも違うの?
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