第6章 逃避
ハルカをかばい私を尋問するダイゴさんに一度引いた苛立ちがまたぶり返す。
「今ここにいてほしくないの! とっとと帰って! ダイゴさんも! ミクリさんも!」
「トオル!!」
ダイゴさんがいっそう強く怒鳴ったところで私は枕を投げつけた。それはあっさりと受け止められてしまったしダイゴさんの怒りを膨れ上がらせたようだ。
しかし、一人蚊帳の外で見ていたミクリさんがダイゴさんに声をかける。
「待つんだダイゴ。君も興奮していては話にならない。一度帰って冷静になろう。ハルカは大丈夫かい? 私が医者のところまで連れて行こう」
そう言ってミクリさんはハルカを抱き抱えてダイゴさんも連れ出してくれた。今はミクリさんの存在がとてもありがたかった。
なんでいつもいつも顔の良い人間が立ちはだかるんだ。なんで私は、こんなにも醜いんだ。
私はまた一人で考える。考えて、考えて、一つの結論に達する。
こんなこと思うと怒られそうだ。今までの夢を全部捨てるのだから。それでも私は、それ以外思いつかなかった。
外は土砂降りだ。傘も差さずに外に出るものじゃない。それでも私は早く出て行きたかった。
腕に刺さっていた点滴の針を無理矢理抜いて、近くに置いてあった昨日の服に着替えた。ボールホルダーはモンスターボールごと置いてきた。そう、私のポケモンたちを、置いてきた。
土砂降りの中森の中を進む。森には沢山の野生のポケモンたちがいて一人では危ない。わかっている。わかっているけれど。
そんなこと思っていたら一匹のポケモンと遭遇した。このポケモンは強い。直感でそう感じた。
逃げなければ。でも服は雨に濡れて重たく、正直走る気力もない。どうしよう。どうしたらいいかな。ああ、ポケモンはもう目の前だ。
「メタグロス! コメットパンチ!」
目の前をポケモンがメタグロスの力強いコメットパンチで殴り飛ばされる。気絶はしなかったようだが力の差を感じたのかすぐに逃げていった。
メタグロスがモンスターボールに戻る。その戻るときに発する光のもとをたどればそこにいたのは案の定ダイゴさん。