第5章 葛藤
「ん、今回もただの気分転換。バトル目的じゃないよ」
「そうか。じゃあ今日はボクも話に混ぜてもらおうかな」
そう言ってダイゴさんを交えて三人で話す。最初はさっきのバトルの反省会。私はよくわからないけれど、少し気がついたことがあれば意見を言っていく。そのうち何故か私とハルカのダイゴさんとの出会いの話になった。
ハルカはダイゴさんの父親から頼まれた手紙をダイゴさんに届けたのが出会いらしい。そのときは石の洞窟だったようだ。石の洞窟なんていかにもこの人が好きそうな場所だ。そこでポケナビを交換したらしい。私とはしなかったくせに。今はダンバルももらって育て中とのことだ。私だけじゃ、ないんだ。家も知ってるらしくハルカはダイゴさんのことなんでも知っているんだな。
それだけでもなんだか胃がムカムカしてくるのに最悪な話を聞いた。
ハルカは、グラードンとカイオーガの事件に関わっていたらしい。
なんで? ハルカは私より年下なのに? 私が関われなかったのは『子どもだったから』じゃないの?
頭の中がぐるぐるとうごめく。吐き気もしてくる。気持ち悪い。
その日は表面を取り繕うこともできなかった。私の顔色が悪いことを察したダイゴさんに早く帰るように言われて、その通りにした。ハルカはこのあともダイゴさんといるんだろうな。かわいいハルカとダイゴさんが一緒に……。
その日も泣いた。前と違って枕に顔を埋めて泣きわめいた。そしてそのまままた泣き疲れて寝落ちしたのだった。
次の日から、バトルの仕方が変わった気がする。
ダイゴさんのもとには行かず、ただひたすらミクリさんたちに挑み続ける。たまにハルカが先に来てるからと断られることもあるが、ハルカは最初の一回以来勝ててないらしい。なんなら四天王に負けることもあるとか。それを聞いて喜ぶ自分がいることに反吐がでる。
毎日毎日毎日ミクリさんたちに挑み続けている私はただの八つ当たりだ。ポケモンたちが可哀想。わかっている。でも冷静になれない。気持ちが悪い。
そしてとうとうミクリさんから苦言を呈された。わかっているけれどどうしても無理なんだ。ポケモンたちに無理をさせている自覚があるのにセーブできない。私なんでホントこんななんて駄目なやつなんだ。
そう思ったところで私の意識は途切れたのだ。
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