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泣き虫ちゃんの話(Eダイゴさん夢)

第5章 葛藤


「私はチャレンジして長いけどまだミクリさんに勝ててないんだよ。いつもギリギリのところで負けちゃうんだ」
「そうなんだ……私四天王のみなさんもギリギリで、ミクリさんに勝てたのも運が良かったからで」
「運も実力のうちだよ」
「そうかな?」
「そうだよ」
 そうでも思ってなきゃやってられない。
 ハルカは慰められてると思ってるかもしれないけれど、私はただ自分が勝てないことへの正当性を探しているだけだ。ああ、性格が悪い。
 苦しさを胸に押し込みながらハルカと話す。私は泣き虫だったけれど『笑う』すべはちゃんと身につけているんだ。
 その日はたわいもないことを話し、ハルカとポケナビの交換をしたところでハルカの門限がきたようだ。どうやらチャンピオンを倒したことで旅はひとまず終えて今は実家に帰っているらしい。話を聞いたところジムリーダーのセンリさんの娘だとか。確かにあの人は門限とか厳しそうだ。
 ハルカが帰ったところで私も帰ろうとする。
「あれ? もう帰るのかい?」
「別に、もともと気晴らしだしもういいよ」
「そう……」
 なにか言いたげな顔だ。そもそも私とハルカを二人きりにしたのはダイゴさんの方なのに。
 それに私は、今ダイゴさんと話したくない。話したらこの汚い心情がバレるかもしれないから。
 だから私はダイゴさんの様子を無視してポケモンセンターに帰った。
 手持ちの子たちをジョーイさんに預けてから、借りている部屋に入ってすぐ布団にダイブする。手を洗っていない。洗わなきゃ。でも今はこのまま寝ていたい。
 ダイゴさんのところに行ったのは気分転換のつもりだったのに。まったくならなかった。むしろ悪化した。
 気持ちの悪さを抑え込むために目をつむる。一人きりなのだ。ぐるぐるとうごめくこの感情を涙に変えて発散する。泣き虫はまだ、治りそうになかった。

 朝。私は寝落ちしていたらしい。鏡を見ると昨日泣いたからか目元が腫れていた。
 まずはシャワーを浴びよう。それでも目元が治ってなかったら冷たいタオルでも目元に当てて、手持ちたちを取りに行くときまでには治しておきたい。
 さぁ、今日の始まりだ。
 もう目元は腫れていなかったけれど、ポケモンたちは私の様子に気がついたらしい。心配そうに見てくるポケモンたちに私は大丈夫だよと声をかける。そう、大丈夫なはずだ。
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