第5章 葛藤
それからというもの、私はダイゴさんのもととミクリさんたちのもとを行ったり来たりしている間にまた三ヶ月くらいは経っている気がする。
ダイゴさんは強い。今のところ勝てるビジョンが見えない。それでも、少しずつ強くなってきてる気がする。そうして強くなったと思えたらミクリさんに挑戦しに行くのだ。
とはいえ、ミクリさんにも未だ勝てない。強くなっているのに、いつも紙一重の戦いをしているはずなのに。それは連戦だから、というだけではないだろう。勝ち続け頂点に立ち続けるチャンピオンというのは本当にすごい。
そういえばミクリさんも顔が良い。やっぱり私の壁は顔が良い人間なのか。
ダイゴさんのところに通うようになってから、このホウエン地方に大きな事件が巻き起こった。まさかの伝説のポケモンと言われているグラードンとカイオーガが目覚めたのだ。
ダイゴさんとミクリさんはそれを収めるため奔走した。私も四天王を倒せるのだ。このホウエンで三番目に強い。だから協力できることがあればしようと思った。けれどそれは断られたのだ。ダイゴさんに。
「私じゃ力不足?」
「そうじゃない。けど君はまだ子どもだ」
「子ども」
「そう。だからここは大人のボクたちに任せてくれ」
子ども。確かにそうだ。それに強いからといって有事で役に立てるかどうかはまた別の話。こういった状況では個人の強さだけでなく、連携が上手くとれるかどうかも大切だ。
だから私は大人しく我慢した。このホウエンが、みんなが無事であることを祈って。
そしてグラードンとカイオーガが起こした大災害ともいえる大事件は幕を下ろした。被害は、思っていたほど多くはなかった。ダイゴさんやミクリさん、その他の尽力してくれた人たちのおかげだ。
そしてまた平穏な日々が戻ったのだ。
事件が解決して平穏を取り戻した毎日を送っている私は、ここ最近ダイゴさんのところで修行をしていた。ダイゴさんは相変わらず余裕そうだがなんとか食らいつく。バトルが終わった後の振り返りはいつものこと。そこで言われる良いところも悪いところも参考になる。