第5章 マテール
僕の首に当たっているのは、
恐らく誰かが使わずに置いていた朝食用ナイフ
……ここまでして神田を守るのか…
「相良…。
神田、これから僕の前でああいうことすれば
必ず止めますから。」
僕は仕方なく手を放し
相良の方に向き直った
「相良、ナイフを下ろしてくださいよ。
悪気があったわけじゃないです。」
その場の空気、神田へ向けられたファインダー達の敵意から
なんとなく状況を理解したらしい
スッとナイフを下ろし僕の目を見た
「悪かった。
その、
…ユウが、何かやらかす前に止めてくれて助かった。」
っう…!
相良にこんな真っ直ぐ目を見られた事ないから
どう反応すればいいかっ…
カーっと顔が少し火照ってきた
やっぱり
相良は神田みたいにひねくれてるわけじゃなさそうだ←
……ちょっと毒舌なだけだ。
「早死にするぜお前…
キライなタイプだ。」
僕が1人の世界に入っていると、現実へ呼び戻す
嫌な単語が耳に入ってきた
「そりゃどうも。」
神田の前に立ち、火花を散らす
仲良く、とか絶対無理だ……