第5章 マテール
「関係ないとこ悪いですけど
そういう言い方はないと思いますよ。」
敢えて落ち着いた声で
冷静に言った
睨んできた神田からは、
僕が全く予想していなかった言葉が出てきた
「…………………
…………放せよ
モヤシ。」
(モヤッ……え?)
「アレンです。
っというか、あだ名のつけ方が相良とそっくりなのは
2人で示し合わせてきたんですか?」怒
昨日散々モヤシだと言われた事を思い出す
あの後2人で会ってたのか?
「…ッハ!
澪にまでこう呼ばれてたとはな。
完全に嫌われてるぜ、お前。
1ヶ月でくたばらなかったら
覚えてやるよ、名前。
ここじゃパタパタ死んでいく奴が多いからな。」
神田に言われて、頭にきた僕は
左手の力を強めた
いや、強めようとしたその時
僕の首にヒンヤリしたものが突きつけられた
「…クソモヤシ。
ユウに何してる?
放せ。」
至って冷静に放たれた言葉
今来たため、状況を知らないであろう彼女の
感情が表れない筈の顔に
わずかに怒りが見えた