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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第18章 鬼舞辻無惨


「⋯⋯話は聞いてやろう」

 答えを聞き、一先ず、宇那手は、息を吐いた。

「私としても、無惨様が産屋敷様や、鬼殺隊員だけを狙って殺すのなら放っておくつもりでした。ですが、下弦ノ壱は、何をやらかすのか分からない。貴方も、捨て駒として扱っているはず。ですが、無差別に大量殺人を犯されては、此方も迷惑ですし、鬼を増やし、それを喰らって生きる貴方にとっても不本意でしょう。人⋯⋯家畜そのものの数が減ってしまえば、食糧が足りなくなる。⋯⋯此方が渡せる情報は、下弦ノ壱を討つために送られる柱の能力と、随行する隊士の名前。柱の能力をお伝えする事で、貴方は此方の最高戦力がどの程度か測れるはず。何故彼らが選ばれたのかもご説明しましょう。欲しい情報は、下弦ノ壱がどこに現れるか。それだけです」

「⋯⋯取引に応じよう」

 無惨は、宇那手の気配を探りながら答えた。彼女の言葉には、嘘が無かった。

 宇那手は礼儀正しく頭を下げた。

「まず、柱は炎柱の煉獄杏寿郎。柱としての能力は、中の上。選抜理由は、私が産屋敷様に、彼を推薦したからです。此方も、十二鬼月の能力を探っています。ですので、痣者の私や、最高戦力ではありません。随行者は、貴方が追っている、花札の耳飾りを付けた、竈門炭次郎とその同期二名。我妻善逸と嘴平伊之助。どちらも柱には到底及ばぬ能力ですが、成長の可能性を秘めている。恐らく炭次郎は、禰豆子を連れて行きます。産屋敷様がそれを認めたのは、鬼の彼女を鬼殺隊員として周囲に認めさせるため。それから、現状禰豆子を喰われた所で、大した損失にならないと判断したからです。炭次郎、禰豆子の両名については、生かしておいた方が良いかと。禰豆子は、この先兄との交流を通して、更なる能力に開花する可能性があります。実際、累との戦いで、人を喰わずに血鬼術を扱える様になりました」

「それだけのことを喋っておいて、聞きたい事は一つか?」

「はい。私は弱い人間なので、同じく弱い人間を見捨てられないのです。下弦ノ壱は何処に現れますか?」

「⋯⋯」

 鬼舞辻は、じっと宇那手を観察した。内心彼女は酷く怯えている。しかし、嘘を吐いている気配が全く無いのだ。

「面白い」
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