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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第17章 七年


「いいや。もう少し、時間がある。痣の条件を探ろう。後天的な物だと分かったしね。他の柱を鍛えようと思う。君はしばらく身を守り、鬼舞辻本人を滅して欲しい。⋯⋯ 輝利哉」

 産屋敷は、女の着物を着せた息子を傍に呼び寄せた。

「この方の顔や、声、雰囲気を良く覚えておきなさい。宇那手火憐。彼女は私の友人だ。この子になら、何を話しても構わない。どんな秘密も守ってくれる。必ずお前の支えになってくれるだろう。涙を見せても構わないよ」

「宇那手様⋯⋯」

 童子は、宇那手に歩み寄り、小さな手を伸ばして彼女の顔に触れた。元々子供が好きな宇那手は、その頭を優しく撫でた。

「お力になります。何でも話してくださいね」

「はい。ありがとうございます」

 輝利哉は、人形の様に、抑揚なく答えた。

「まだ、話していて平気かな?」

 産屋敷は、宇那手に確認した。彼女は頷いた。時間が残されていないのは、お互い同じなのだ。

「最終選別の件だが、今はとにかく人手が欲しい。君の案を一部採用して、一週間後に決行しようと思う。手を貸してくれるかな?」

「はい。それから、もう一つ提案がございます」

「また面白い話が聞けるのだね。⋯⋯義勇、悪いが席を外しておくれ」

「御意」

 冨岡は、まだ衝撃から立ち直れぬまま、素早く部屋を出て行った。彼が立ち去ってから、宇那手は口を開いた。

「失格の制度を設けて欲しいのです」

 宇那手が手紙で提案した事は幾つかある。

 まず、参加者全員に鴉を与えるのだ。戦う事が困難になり、棄権を望む者は、鴉に伝える事で、協力者の正規隊員に位置を教える事が出来る。今後二度と最終選別に出られない代わりに、助かる可能性が与えられる。

 正規の隊士が、選別会場を走り回る事で、異能の鬼の様に、試験に不向きな能力を付けてしまった者は排除出来る。
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