第103章 繋がる
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お誕生日おめでとう、義勇さん。
貴方の事だから、きっと眠ることも、食べる事も忘れて、私を想ってくださっているでしょう。
辛く、悲しい思いをさせてしまってごめんなさい。
だけど、そろそろ私を安心させて欲しいの。貴方は父親でしょう? 私に良く似たあの子を、沢山愛して欲しい。
待っています。見守っています。
貴方が何時か、もう少し生きたいと願いながら、私の元へ来てくださることを。
貴方に、私が調べた限りの、鬼殺隊と鬼に関する記録を託します。
生き残った人々の痛みを、無かった事にはしないで欲しい。
鬼となった事を悔いていた、全ての人たちのために祈って欲しい。
貴方の手で、この鬼殺隊見聞録を完成させて欲しい。私に関する記述は、あえて省いてあります。
私が生きた証を、貴方の手で残して欲しい。
産屋敷家、宇髄家、それから、実弥さんや、竈門君たちとも仲良く、ね。
それでは、また来年。
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