第103章 繋がる
「火憐様、寝所をご用意致しました」
かなたとくいなが戻ってきた。輝利哉は少し首を傾けて微笑んだ。
「元々、火憐には、この屋敷で養生していただくつもりでした。蝶屋敷は賑やかですし、誰よりも鬼殺隊に貢献した方を、労るのは私の務め。⋯⋯いいえ。私が個人的に、火憐に尽くしたいんです。この方は、父上の心を支え、私に知恵を貸してくださった。⋯⋯恩人です。さあ、此方へ」
輝利哉が立ち上がったので、冨岡は宇那手を抱き上げた。
宇那手は、産屋敷邸の一番良い部屋を与えられ、其処で約一年の時を過ごす事となった。