第100章 ※一夜
「馬鹿」
冨岡は、ゆっくりと宇那手の中に、自身を埋めて行った。
「対等どころか、お前の方が、俺より立派だ。何時かでは無く、今、この時から、隣を歩こう。最後まで⋯⋯共にありたい」
「あっ⋯⋯ひっ⋯⋯動⋯⋯動かないで!」
「無茶を言うな。動くに決まっているだろう。動かなければ、出ないぞ」
冨岡は宇那手の両肩を布団に縫い止め、激しく抽送を繰り返した。
「やだ! 義勇さん!! ⋯⋯義⋯⋯勇さん!!」
「やめるか?」
「嫌!! ⋯⋯気持ち良くて⋯⋯あっ⋯⋯私⋯⋯すぐ⋯⋯」
「良いぞ。思い切り締め付けろ。欲しいんだろう?」
「欲しい!! くっ⋯⋯あぁ!!」
宇那手は激しく全身を痙攣させて果てた。冨岡は、すぐに抜かず、蓋をする様に身体を寄せたまま、優しい眼差しを彼女に向けた。
「やはりお前が良い」
彼は、汗で張り付いた宇那手の前髪を掻き上げた。
「お前がいない間、一人であれこれ試したが、やはり中が良い」
「⋯⋯本当に一人で? 他の誰かとではなく?」
「馬鹿者。お前以外に触れるものか。⋯⋯身体は大丈夫か?」
「大丈夫です。⋯⋯なんだか、心地良い眠気が⋯⋯」
「では、このまま寝てしまえ」
「⋯⋯でも⋯⋯まだ貴方は」
「もう満足だ。お互い、体力が無くなった様だな」
冨岡はそっと布団を被り、宇那手を抱きしめたまま目を閉じた。その様子に安心したのか、宇那手もすぐに寝息を立て始めた。