第97章 答え合わせ
「落ち着け。俺は絶対に傍を離れない。死ぬまで一緒にいるから、安心しろ」
彼は宇那手を寝かせると、手を強く握ってやった。
「お前の方こそ、不死川に何と言われようと、俺を選んでくれ」
「はい。⋯⋯勿論」
宇那手は、疲れたのか、重い瞼を閉じて寝息を立て始めた。しかし、冨岡の手を離そうとしなかった。
愈史郎は肩を揺らして笑った。
「今は余裕が無いんだろうが、随分と甘えたがりの様だな」
「元々そうだった。甘える余裕が出来て良かった」
「お前も、ちゃんと休めよ。倒れたら、火憐が悲しむ」
「お前は何故、鬼狩りに肩入れする?」
「珠世様が⋯⋯いや、俺がこいつに感謝しているからだ。さっきも言っただろう! もう行くからな!!」
愈史郎は、部屋を出て行ってしまった。
冨岡も、唐突に限界が来て、眠気に襲われた。以前ならあり得ない事だが、彼は宇那手のベッドに突っ伏して、そのまま眠ってしまった。
「⋯⋯良かった。二人とも、目覚めてくれて」
輝利哉は、手を取り合って眠る、最後の柱に優しい視線を注いだ。
「実弥が心配だ。誰か、後を追ってやってくれ」
「いや、あいつは放っておいた方が良いですよ」
宇髄が答えた。
「あれで、任務はちゃんとこなすので。柱合会議には来るでしょう。暫く一人にしてやった方が良いです」