第97章 答え合わせ
宇那手が意識を取り戻したのは、最終決戦から半月経った時だった。丁度不死川が見張りを担当していた。
「火憐!」
彼は刀に力を込めた。仮眠を取っていた他の柱も一斉に目を覚まし、臨戦態勢を整えた。
「⋯⋯実弥さん?」
宇那手は、何が起きているのか、分からない様子だった。しかし、布団の中から右手を出し、合点が行った様子で微笑んだ。
「大丈夫。⋯⋯鬼にはなっていません。鬼舞辻が、最期に返してくれたんです」
「火憐!」
冨岡は、全員を押し退けて、力の抜けた宇那手を抱き起こした。
「火憐!」
「私⋯⋯どのくらい寝ていましたか?」
「半月だ」
「じゃあ⋯⋯ご飯。⋯⋯そろそろご飯を食べないと⋯⋯。早く元気になって⋯⋯家に帰りたい⋯⋯」
「おーい!! きよ、すみ、なほ、アオイ!! 今すぐ粥を持って来い!! たらふく卵の入ったヤツな!!」
宇髄が廊下に向かって叫んだ。槇寿郎は席を立った。
「俺はお館様に報告をして来る。不死川、お前はどうする?」
「もう少し傍にいる。玄弥の事を助けて貰ったしよォ。柱合会議までは暇だし、かといって何処にも行けねェ」
「⋯⋯浅草の⋯⋯」
宇那手は、天井を見詰めながら、掠れた声で囁いた。
「浅草の二人は⋯⋯どうなりました? 麗さん達は⋯⋯」
「鬼舞辻は、爆発事故に巻き込まれて死んだ事になっている。あの二人に関しては、裕福な家庭だから、援助も不要だろう」
冨岡の言葉に、宇那手は首を横に振った。
「⋯⋯麗さんは⋯⋯鬼舞辻が鬼である事を知っています」