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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第93章 反旗


「⋯⋯なるほど」

 宇那手は、怒りを通り越して笑っていた。

「ご自分が、天災の様に忌み嫌われている点は理解しているのですね。ですが貴方は地震、雷、嵐の様に形のない物ではありません。触れることも、こうやって話す事も出来る。当然、殺す事も」

「火憐、どういう意味だ」

 鬼舞辻は、怒りを露わにした。宇那手は、どうしようも無い悪さをした子供を見る様に、苦笑した。

「確かに、私たちは異常者です。人の領分を超えた力を持っている。だからこそ、抗う事が出来た。貴方に復讐しようと思わない人間なんて、いませんよ。実行出来るかどうかの問題で。貴方の考えは、理解出来ますが、共感出来ません。私は」

 宇那手は刀を抜き、静かに冨岡、炭治郎の方へ歩み寄った。

「異常者ですので、此方側です」

 瞬間、無数の触手が伸びた。

(水炎の呼吸、拾壱ノ型、流炎舞)

 宇那手は、守りに挺した。冨岡も同じ判断をしたが、炭治郎は経験の浅さから、間合いの内側に飛び込み、斬撃を喰らわせる選択をした。

「間合いを詰めるな!! 斬り込まなくていい!! 無惨の力は上弦の比ではない!!」

 冨岡が、傷を負い、倒れそうになった炭治郎を回収した。

「時間稼ぎ⋯⋯夜明けまでか? 光の届かぬこの城の中、柱四人で、それは可能なのか?」

 鬼舞辻の言葉に、炭治郎は激しく動揺した。冨岡はある程度状況を理解している様子だった。

「縞の羽織の柱と、女の柱はすでに、私の部下が殺したようだぞ?」

「冨岡さん、炭治郎を守って。私は一人でも十分です。時間をくれてありがとう、無惨」

 宇那手は、刀身を赫く変色させていた。

「火憐!!!」

 鬼舞辻は、癇癪を起こし、次々と宇那手に触手を繰り出したが、呼吸すら使わずに薙ぎ払われた。
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