第14章 秘密
「冨岡さんは馬鹿なので、言葉が出ずに、手が出たんですね〜。喧嘩をする時もそうです。でも貴女の意思を尊重してくれたみたいですし、心配無いかと思います。これからも、意思表示はしっかりとなさってください」
「はい」
「不安でしたら、今晩泊まるお部屋は分けますよ?」
「いえ! 師範も私も、並の隊士⋯⋯負傷者の方に気を遣わせてしまいます。同じ部屋にしてください」
「分かりました。アオイがお風呂を用意しますので、今日はゆっくり過ごしてくださいね」
胡蝶は姉が好きだと言った、最上級の笑みを宇那手に向けた。