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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第80章 不死川玄弥


「俺、やっぱり貴女は変わってるって思います!」

 玄弥は、唐突に叫んだ。宇那手は、少し目を見開き、笑みを浮かべて目を伏せた。

「⋯⋯そうね」

「変わってるし、普通じゃないけど、異常じゃない!! 普通よりも、ずっと好きです!! 俺を認めてくれた貴女を否定したら、俺も異常って事になる。貴女が能力を認めた人間、誰一人、貴女を異常者扱いする資格なんて無いっす!!」

「君は正直者ね」

「⋯⋯あ、違います!! 別に俺がどう思われるかじゃなくて、ただ貴女は⋯⋯なんていうか、凄い人だって思ったんです!!」

 玄弥は慌てて言葉を補った。宇那手が、こういう物の考え方をする様になるまで、どれほど辛い思いをして来たか、手に取る様に分かった。

 女性が、育手も介さず、独力で隊士になり、柱に登り詰めたのだ。血の滲む様な努力をしたのだろう。

「俺は兄貴に早く追い付きたくて⋯⋯だけど、貴女と話して分かってしまいました。俺は、周りを気遣う力が無いし、優しくも無い。人に与える事が出来る人間じゃないから⋯⋯。全然、貴女に及ばない!」

 玄弥は、当初女性が新しい柱になったら事について難色を示していたが、考えを改める事になった。

 悲鳴嶼や胡蝶もそうだが、宇那手は、文字通り、”柱”なのだ。刀の腕だけでは無く、巨大な組織を支えていく器を持っている。実弥、冨岡、伊黒、甘露寺、時透とは違う才を持っている。

「良く知りもしないで、失礼な事を⋯⋯。きっと貴女は何度も同じ様な──」

「私の事を知りもしない人が、私をどう思おうと、何とも思いません。それよりも、貴方が私に理解を示してくれた事の方が、何倍も重要です。風邪を引きますから、服を着ましょうね?」

 宇那手は、一切毒気の無い表情で、穏やかに促した。玄弥は慌てて隊服を纏った。

 そこに、時透がやって来た。

「姉さん、またその子に構ってたの? 僕に時間を使って欲しかったんだけど」

「今から、貴方の時間です。体調を確認しますから、体温を測ってください。⋯⋯玄弥君。少しお昼寝をした方が良いですよ。それから、ありったけの弾を用意して置いてください」
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