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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第79章 晩餐


「鬼舞辻、及び上弦との戦闘は、無限城⋯⋯血鬼術で作られた特殊な空間での総力戦になるでしょう。隊士は分断され、合流が難しくなる。本部を通じて鴉から送られる情報は、精々鬼舞辻や上弦がどの方角にいるか、程度です。柱の皆さんは、当然指示された方角へ」

「だから、方位磁針か」

 時透は、まず方位磁針を仕舞い込んだ。

「鏡は?」

「私の継子達には、階級が丁以下の隊士を率いて、鬼舞辻と逆方向に、隊列を率いて逃げていただきたい。喰われて回復、再生の材料にされるより、逃げていただきたいのです。その際、鬼の気配を察知出来ない者もいるでしょう。角を曲がる際、鏡を使用してください。目眩しの術を使っている鬼も、鏡になら映った例があります。⋯⋯恐らく、その時、私は指示を出すのが難しい状況にある。だから、逃走の指示は継子と弟子にお願いしたい」

「私たちが⋯⋯隊列を? 無茶です! だって階級が──」

「階級を確認してください」

 宇那手は、桜里に命じた。彼女は拳を握りしめ、目を見開いた。丙の文字が現れたのだ。

「嘘⋯⋯どうして⋯⋯」

「その様に操作していただきました。異例の事です。鬼舞辻を討つためだけの措置です。これを認めていただける程、ヤツを討てる可能性は上がっているんです。本来であれば、この事はあまね様の口からお伝えいただく予定でした。私と連絡が途絶えた時に」

 沈黙。時透は眉間に皺を寄せていた。甘露寺は言葉を噛み砕いている最中で、理解が及んだ所で蚊帳の外の玄弥は口を噤んでいた。

 桜里は、ガクガク震えながら必死に口を開いた。

「その時、師範は何をされているのですか? 何故私たちと合流出来ないのですか?」

「勘違いしないでください。私は鬼舞辻との直接対決で、他の柱と必ず合流します。ですが、その前に二、三危険な仕事をする必要がある。怖いですが、私にしか出来ませんので。まあ、相手が鬼なので、命に絶対の保証はありません。柱であれば、皆同じ危険を背負っています。万が一を考え、先の先にするべき事を示すのが、弟子を取った私の使命です。⋯⋯ああ、階級と一緒にお給料も上がっていますから、好きに使って楽しんでね。出来ればうちのわんちゃんに美味しい物を食べさせてあげて欲しいんですが」
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