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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第79章 晩餐


「師範の馬鹿!!」

 独力で刀鍛冶の里に辿り着くなり、宇那手は、桜里に説教をされた。

「どうして勝手に出て行ったんですか?! しかも、また大怪我をしたって!!!」

「ごめん──」

「滅茶苦茶怖かったんですよ!! 甘露寺さんも、時透さんも!!」

「え?」

「時透さんなんか、訓練と言って、私を殺そうとしました!! アレは、確実に殺す気で斬りかかって来ました!! もう勘弁してください!!! 玄弥は四六時中不機嫌だし、鋼鐵塚さんに包丁を投げつけられるし、貴女の継子から鴉が送られて来て突き回されました!!! 全部私に降りかかったんですが!!!」

 途中から怒りの方向性がおかしい気がしたが、宇那手は、笑わない様に気を付けて頭を下げた。

「ごめんね」

 そう返すしかなかった。

 次に対面したのは時透だった。彼は無表情に宇那手へ詰め寄った。

「姉さんの継子、全然駄目だね。すぐ死ぬよ。動きもガタガタ。基礎がなってない。どうしてあんなの引き取ったの? 足手纏い。それから、なんだっけ。あの男の子。凄く生意気。鬼を連れた子。説教されたんだけど。甘やかし過ぎなんじゃないの?」

 とんでもない毒舌だが、悪意は感じられなかった。

「まあ良いや。戻って来てくれてありがとう。これで厄介が減るし」

「無一郎君」

「何?」

「ありがとうね」

 宇那手が頭をわしわし撫でてやると、時透は少し視線を下げた。

「⋯⋯心配だった」

「桜里が、貴方にしごかれて死にそうだったって言ってた。でも、元気そうだったし、ちゃんと指導してくれてありがとう」

「姉さんの真似事をしただけ。失った人の代わりが必要だと思って。でも、あの子じゃ貴女の代わりにならない。戻って来てくれて良かった。⋯⋯そういえば、えーっと、何だっけ? 甘露寺さんが、何か話したがってた。お館様に鴉を送ったらしいけれど、姉さんが対処出来るって話だったような⋯⋯」

「私が対処出来る? お館様がそんな事を?」

「度が過ぎるよね」

 時透は、初めて怒りを露わにした。

「多分危険な事。そして、僕じゃ対処出来ない事。また姉さんに背負わせる気なんだ。⋯⋯お館様は大切だけど、姉さんも産屋敷家の人間なら、同じくらい大切にされるべきなのに」
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