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【鬼滅の刃】継ぐ子の役割

第67章 心のままに


 心の蓋を外していた宇那手は、子供の様に泣き出してしまった。

「冨岡さん!! 良かった⋯⋯。貴方が来てくださって、良かった!!」

「良いから要件を言え」

「無惨が、鴉を操作しています。お館様に知らせないと!! それから、善逸君に、任務の中止を伝えてください。罠です。彼は利用される所だった!! 佐伯さんの形見の守り袋に、鬼の目玉が入っていたんです!!」

「落ち着け。話が見えない。まず、お館様に鴉の件をお伝えして、善逸とやらの動きを止めれば良いんだな? 佐伯の件に関して、順に話せ」

 冨岡は、宇那手の肩を摩って落ち着かせた。彼女は深呼吸し、最初からきちんと説明した。

「⋯⋯つまり、少なくとも上弦を討った隊士の始末。悪くて胡蝶と蝶屋敷の位置特定。最悪お前が狙いだったと言うことか?」

「そうですね」
 
 宇那手は、冨岡の思考がいまいち理解出来ず、ぎこちなく答えた。

「意外です。お館様よりも、私を優先した」

「俺はその我妻とやらに警告し、お館様に報告すれば良いんだな?」

「はい。鴉が使えないので、そうしていただけると助かります。⋯⋯あの⋯⋯怒らないんですか?」

「怒りたいが、怒ったところでお前の行動は制御出来ない。隊士として、申し分ない働きをしている手前、責める資格もない。無駄なことはしないと決めた。それに、悲鳴嶼さんからの助言もあった。⋯⋯お前は、好きにさせてやれ、と。一人前だ。信じて、支える。ただ」

 冨岡は宇那手を抱き寄せた。

「必ず戻って来い」

「⋯⋯冨岡さん。私は無惨に会いに行きます」

 宇那手は、全てを話すと決めた。柱は、やはり頼り甲斐がある。その存在が、安心を与えてくれる。

「麗さんと、まだ幼い子供を助けたい。無惨が戻った時、お二人が激しく問い詰め、奴を苛立たせれば、殺されてしまう。それだけは、防ぎたい。手の届く範囲の人間は救いたい。⋯⋯怖いです。本当は、怖くて堪りません」

「お前なら大丈夫だ。嫁と娘の命の対価は、用意しているのか?」
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